「校風マトリクス」からみた神奈川御三家の校風
引き続き、この書籍にある「校風マトリクス」から神奈川御三家の校風を見ていきましょう。
安浪 京子著 「中学受験 大逆転の志望校選び 学校選びと過去問対策の必勝法55」 文藝春秋
中学受験 大逆転の志望校選び 学校選びと過去問対策の必勝法55 [ 安浪 京子 ] 価格:1,650円 |
「志望校選び編」では、学校を文化という観点で、「管理か自主性か」「革新・体験か保守・知識か」の二軸分布を行った「校風マトリクス」が男子校・女子校・共学校別に記載されています。
具体的な学校名が明記されていて、他校との比較ができるためとても参考になります。
もちろん実際に自分達の目で確かめてみることも重要です。
校風という文化が自分の子供に合うかどうかは大切な視点です。偏差値だけで選ぶのではなく、入学してからの我が子の姿を想像して、子供に合った学校を選びたいものです。
「校風マトリクス」は「管理↔自主性」と「革新・体験↔保守・知識」の二軸分析となっています。
つまり「学校が勉強や生活面を管理する」↔「生徒の自主性を重んじる」、「学校が革新的で、生徒に様々な体験の機会を与える」↔「従来の日本社会に則り、知識を重視する」となっています。
あくまで傾向であり、個人によって感じ方も異なる部分もあるかと思いますが、参考になると思います。実際、すべての学校の説明会や文化祭に足を運ぶのも限界がありますので。
神奈川御三家の校風マトリクスは下記のとおりです。
- 栄光学園 「自主性」 × 「革新・体験」
- 聖光学院 「やや管理」× 「革新・体験」
- 浅野 「管理」 × 「保守・知識」
これだけをみると、栄光学園と浅野はほぼ真逆の校風ということがわかります。栄光学園は自主性重視でのびのびした校風で、浅野は管理型で面倒見がよいといった感じでしょうか。
ただし、決して栄光学園が面倒見悪いとか、浅野がのびのびしていないとかいうわけではありませんので誤解なきように。
あくまでも指標としてであり、決してどちらが良いというものでもなく、個人によって感じ方も異なると思います。実際に自分の目で見て、感じて、我が子に合うのはどの学校かご判断いただければと思います。
「算数マトリクス」からみた神奈川御三家の出題傾向
次に、「算数マトリクス」「処理力マトリクス(算数)」から神奈川御三家の出題傾向を見ていきましょう。
- 栄光学園 「思考(応用)」× 「一題あたりの処理時間:多」
- 聖光学院 「思考(応用)」× 「一題あたりの処理時間:中」
- 浅野 「標準」 × 「一題あたりの処理時間:少」
ここでも、栄光学園と浅野はほぼ真逆の傾向となっています。
栄光学園は、じっくりと考えて解く思考力系で、浅野は典型題を短時間で正確に解く処理能力が求められています。
算数に関して、実はこの両校は併願しにくい問題傾向であることがわかります。
このレベルの学校になると算数が得意な男の子が多いと思うので、苦手分野があると苦しい戦いとなります。
苦手意識があるなら、せめて算数であまり差がつけられないよう、早めに対策をとっていきましょう。
「国語マトリクス」からみた神奈川御三家の出題傾向
次に、「国語マトリクス」から神奈川御三家の出題傾向を見ていきましょう。偏差値とのマトリクスのため下記となっています。
- 栄光学園 「記述(多め)」
- 聖光学院 「記述(少なめ)」
- 浅野 「記述(少ない)」
ここでも、栄光学園と浅野はほぼ真逆の傾向となっています。
出題される題材・テーマについても各校傾向が異なります。例えば、浅野は小学生にはなじみにくい大人のテーマが取り上げられることが少なくなく、小説では少女や大人の女性が主人公のものが多かったりします。
女性の気持ちもわかる男の子に入学して来て欲しいのかなとも思ったりします。
神奈川御三家の出題傾向(理科・社会編)
理科・社会についても、栄光学園のほうが記述の回答が多いですね。でも問題文の文章のボリュームは浅野のほうが多く、正確に早く読むスピードが求められています。
聖光学院の問題形式と回答の記述量は、浅野に似た傾向にみえます。聖光学院の社会では、学校の所在地である横浜市や神奈川県に関連する問題が必ず出題されます。
栄光学園でも社会ではご当地問題が出題されることがあります。
出題される分野も、結構偏りがあったりします。例えば栄光学園の社会は、政治に関する出題は少なく、歴史と地理に出題が偏っており、特に産業に関する出題が多いです。
各校の出題傾向をおさえたうえで過去問対策を行うことが重要で、過去問を解くことで出題形式に慣れるとともに、早めに頻出分野について意識して類題を探しながら解くようにするなどすると良いでしょう。
直前期では対策に手が回らなくなるかもしれませんので。
赤本からみた神奈川御三家の出題傾向
赤本には、各科目の単元ごとの出題傾向・範囲が記載されています。
3校とも各科目において頻出単元・分野がありますので、頻出分野で苦手な分野がある場合は、早めに対策しておく必要があります。私の息子は下記の優先順位で対策を行っていました。
- 頻出単元・分野でかつ苦手
- 頻出単元・分野で得意
- 頻出単元・分野ではないが苦手
具体的な対策内容は科目によって多少異なりましたが、主として出題傾向が似ている併願校もしくは受験しないけどレベルが近い学校の過去門から良問を探すか、直前期には塾の先生に他校の古い赤本を貸してもらって、指定された年度を解いて添削してもらっていました。
息子の塾の先生はなぜか麻布の国語の過去問を解くように指示してきました。
麻布は受験する予定もなかったのですが、今思うと塾の先生は受験させたかったのかもしれません。いい記述の練習にはなったと思いますので、決して無駄にはならかったと思いますが。
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