コロナ禍で先行き不透明な状況になっている2021年中学入試。
学校の授業がほとんどない状況下で、受験生は受験勉強の時間を確保できるというメリットはありましたが、進学塾の対応もまちまちで授業もままならず、少なからず塾の年間カリキュラムへの影響が出ていること、主要な模試が中止となり、相対的な実力の把握が難しくなっていることから、今後の動向には大きな関心と不安を持たれていると思います。
そこで、2021年中学入試への新型コロナの影響について情報を集め、予想してみました。今後の不測の事態への備えとしてご参考になればと思います。
「コロナ禍で中学入試受験者数は減るの?」
今後、大規模な第2波、第3波が来ない前提ではありますが、2021年中学入試受験者数は減らないと予想します。
理由は下記5点です。
・2020年度の中学受験者数は、リーマンショック(2008年)前と同じ水準にまで戻り、 過去20年間の推移から、ピーク期を迎えている。
・2020年4月時点において、大手塾3社の生徒数は昨年同時期と比べて増加。
・東京都の小学6年生人口は右肩上がり。東京都の私立学校は受験者数が伸びる可能性大。
・リーマンショックが起きた年の2008年は、受験者数は減らなかった。翌年から減少。
・コロナ禍における公立学校の学習の遅れ・対応の難しさから、ICTリテラシーが高い私立学 校が人気となる可能性。
マクロ的に見ると、コロナ禍がなければ2021年中学入試は受験者数増により激戦予想でした。
コロナ禍での急激な経済的影響、公共機関を利用しての通学への不安等の影響がどこまで出てくるかによりますが、現6年生はここまで中学受験を目指してせっかく頑張ってきたのに、今更撤退することは考えにくいです。
よって、1都3県について2021年中学入試受験者数は減らずにほぼ横ばいと予想しますが、今後、新型コロナ第2波、第3波が発生し、経済的な影響がさらに甚大となっていく場合は、中堅校を中心に減少に転ずる可能性はあります。
「入試問題の傾向に変化あるの?」
大きな変化はないと思われますが、一部出題範囲を狭めるなどの可能性があります。
理由は下記2点です。
・大学入試、高校入試においては、すでに文部科学省より出題範囲を縮小する要請を各自治体に出 している。それが中学入試にも多少影響する可能性がある。
・2020年度学習指導要領の改定により、知識偏重ではなく、より思考力・判断力・表現力を試 す問題となる。また、6年生の社会の学習順が、地理→歴史→政治から、地理→政治→歴史に変更となった。
よって、6年生で習う範囲からは、細かい知識を問うような出題が減る可能性があります。例えば、社会の歴史は細かい用語や知識ではなく、大きな歴史の流れを問うような問題が増えることが予想されます。
「入試日程と実施方法への影響あるの?」
新型コロナの第2波、第3波がなければ、例年通りの実施方法となりますが、新型コロナ対策として、試験時間を短くしたり、受験科目を削減したりするという学校が出てくる可能性があります。
オンライン入試については、ペーパー試験を重視してきた中学受験ではいきなりの実施は現実的ではないと考えます。
入試日程については、高校入試が後ろに控えているため、大きな日程の変更・延長は考えにくいですが、新型コロナ対策として、日程や時間帯を分散して実施する学校が出てくる可能性があります。
今後、受験者数増加対策としてだけでなく、新型コロナ対策としての午後入試や複数日程での入試日程の追加発表を行う学校が増える可能性が高いです。
結局、どうすれば良いの?
2021年中学入試は、例年とはまた違った様相となることは必至です。
情報が錯綜したり、思うように受験勉強が進めることができなかったりすることに対して、苛立ちや不安はあると思います。しかし、「条件は皆同じ」です。
親御さんは、引き続き冷静に情報収集を続けていただき、受験生は着実に基本を中心に実力をつけていくことができるように、今やるべきことを粛々とやっていきましょう。
新型コロナ第2波、第3波の影響が大きくなってきた場合は、試験時間短縮のため、二科目受験が増えたり、理社の配点が減ったりする可能性もあるので、国語と算数に力を入れておいたほうが良いかもしれません。
元々、1問あたりの配点が大きい算数が入試で一番差がつく科目ですので、そうなった場合は、算数が得意であればより有利になる可能性があります。
2021年中学入試の動向については、逐次記事にしていきたいと思います。
【中学受験】2021年入試はコロナ禍で一体どうなるの?最新情報
<他サイト参考記事>「受験者1万人超・栄東中入試の「コロナ対策」は?「密」回避に工夫凝らす
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